フェンディ(FENDI)のミューズやアルマーニ(ARMANI)の広告塔を務めるなど、モード界から注目を集めるK-POPグループガットセブン(GOT7)のメンバーでソロアーティストとしても活動中のジャクソン・ワン。2020年7月に自身の個人事務所「Team Wang」から同名のブランドをローンチして話題になった彼が、1月、ブラックに染まったセカンドコレクションを発表した。デザインとユニークなヴィジュアルに込めた想いを、本人が『VOGUE』に語ってくれた。
2014年に韓国の大手事務所JYPエンターテイメントから、全7名で構成されるボーイズグループのガットセブン(GOT7)のメンバーとしてデビューしたジャクソン・ワン。現在までに、同グループがリリースしたアルバムの12作が韓国のガオン・アルバムチャートで1位を獲得し、アリーナワールドツアーも行うなど、最人気K-POPアーティストへと成長した。2017年には個人事務所の「Team Wang」を設立し、2作のソロシングルをリリースするなど、世界を視野に入れたソロ活動にも力を入れている。
そんな快進撃を続けるジャクソンをモード界が放っておくわけがない。彼はこの1年間で、カルティエ(CARTIER)とアルマーニ(ARMANI)のキャンペーンモデルを務めたほか、フェンディ(FENDI)のミューズにも就任。昨年10月には、フランスの印象派の画家クロード・モネ財団とのコラボコレクションも発表した。
グローバルなファッションリーダーとして存在感を強めている彼が2020年7月にローンチしたのが、事務所名を冠したオリジナルブランド「Team Wang」だ。
「THE ORIGINAL(ジャクソンはこれを“COOKIES”と呼ぶ)」と名付けられたデビューコレクションから半年が経過した1月、ジャクソンは第2弾となる新作コレクション「THE VELVET」を発表した。ジャケットやベスト、Tシャツなど、11点のベーシックなアイテムからなる本コレクションは、すべて黒で統一されている。キャンペーンヴィジュアルにはモデルを一切起用せず、従来のファッション撮影を行う代わりに、名も姿もない“透明人間”が各アイテムを“着用”するという独創的なアイデアを採用。ジャクソンは、このキャンペーンに込めた意図をこう説明する。
「自分を見つめ直し、自己探索する中で直面する葛藤や内省を象徴しています。こうした過程を経てようやく、人は真の自分へと脱皮できると思うんです」
中国版SNSの微博(ウェイボー)、インスタグラム、TikTok、フェイスブック、ツイッターと、さまざまなソーシャルメディアのプラットフォームでジャクソンが抱える総フォロワー数は5200万人にも達する。世界のファン待望の第2弾コレクション「THE VELVET」の全貌、完成までのデザインプロセス、そして2021年に寄せる希望をジャクソンが語ってくれた。
「黒」はクリエイティビティを刺激する。
──今回のコレクションのアイテムはすべてブラックで統一されています。このコンセプトはどのように生まれたのでしょうか。
目を閉じると創造力が刺激されて、さまざまなアイデアについて無限に思案することができます。周りの声が聞こえないくらい没頭してしまうんです。ブラックはそんな状態を示す創造性の源泉であり、アイデアを授けてくれる色。また、コレクションのヴィジュアルに “透明人間”を起用したのは、自身の可能性に限界を設けて欲しくないという想いから。黒という色には、限界を取り払うというメッセージも込めています。
──ガットセブン(GOT7)のメンバー、ソロアーティスト、さらにはデザイナーというマルチな顔をお持ちですが、多忙な日々を送る中で時間を有効活用するためのコツはありますか?
時間に関係なく常に働き続けているんですが、今はこのノンストップな生活にすっかり慣れてしまいました。その中で学んだのは、「自分を律する」ことの大切さ。どんなに忙しくても、必ずエクササイズの時間を組み込んで、ヘルシーな心と体づくりを心がけています。夜寝る前にストレッチをするだけでもいいので、習慣にすることが重要です。
2020年には、クロード・モネ財団ともコラボレーションされました。モネの作品のどんなところにインスパイアされましたか?
このコラボの話は、昨年7月の「Team Wang」のデビューコレクション「THE ORIGINAL(COOKIES)」のローンチ直後に舞い込んできました。その後モネの作品にじっくり対峙するうちに、多くのインスピレーションが湧いてきたんです。カプセルコレクションには、彼の素晴らしい作品への尊敬を込めました。
数々の名作の中でも、上海で展示されていた「印象・日の出」(1872年)に惹かれ、モチーフにすることにしました。オリジナルの絵画で描写されているフランスのル・アーヴルの港は、上海のウォーターフロント地区の外灘(バンド)にも似た雰囲気があります。落ち着いた色彩で描かれた海岸の上を昇る太陽は、無限の希望を表現していて、今の世の中にぴったりだと感じました。
目の前の課題に集中した1年。
──音楽、そしてファッション業界の一番好きな部分を教えてください。
創造力を発揮できるところ。そして、クリエイティビティには限界がないという点も、とても刺激的です。
──2020年は異例の1年でしたが、この期間に得た最大の教訓は何ですか?
忍耐力と集中力をもち、目の前の課題をやり遂げた1年でした。渡航制限が課されたことで、今まで当たり前にできていたことが困難になってしまった。だからこそ、ここは一歩引いて、目の前の仕事やアイデアに集中することにしたんです。それが「Team Wang」ブランドの立ち上げにも繋がりました。
──さまざまな業界で活躍し、幅広い興味を持つことが大切な理由は?
クリエイティビティが刺激されるとパワーが湧いてきます。それが、業種や業界をまたいで活動するドライブです。幅広い興味を持つと、常に何かを学ぶことができるんです。
──「Team Wang」のアイテムを手に取る人たちに、何を感じてもらいたいですか?
ブランドのスローガンは「Know Yourself(自分を知る)」。快適なウェアを目指しています。着用する人たちの自信に繋がると嬉しいです。
──ファッション、音楽、さらにそれ以外の分野でも、2021年はどんな活動を予定していますか? 今後に向けた抱負を聞かせてください。
2021年は「Team Wang」の第2弾「THE VELVET」コレクションの発表ではじまりましたが、数カ月以内には新しい楽曲のリリースも予定しています。みなさんに届けるのが今から楽しみです。今後も、さまざまなことを探求しながら成長し続けていきたいと思っています。
記事の転載元:https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/jackson-wang-second-collection-cnihub